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 「虎の尾を踏む」、「虎の威を借りる…」など虎は強いものの代表として表現されることが多い動物です。

 

 先日、民放テレビの記者Kさんが、転勤のあいさつに訪ねてきました。4年前の「県政汚職事件」の際に大活躍した女性記者です。

 

 「木戸ダム」の本体工事を請け負った前田建設とその下請業者水谷建設が、佐藤栄佐久知事が筆頭株主であり、実弟が経営する三東スーツの「本社・工場」を「時価」より数億円も高く買い取ってもらったのではないかという「贈収賄事件」です。

 

 捜査は、知事周辺の関係者からゼネコン関連まで広範囲にわたり、国税の捜査官も含めて400名に近い「大部隊」で行われ、マスコミも大々的に報道しました。

 

 実質的に知事が所有する会社、実弟が経営する会社に関する事件であり、知事自身がダム工事の発注者なのですから、県民の関心、マスコミの関心は、知事がどう対応するかに集まりました。

 

 知事の公式発言は、工事発注には一切関与していないし、会社の経営にも全く関わっていない。水谷建設が時価よりも高く買い取ったと云われているが、「誰も損をしていない普通の土地取引だ」といった素っ気ないものでした。

 

 自分は「全く触っていない」、「弟の会社のことなので弟に聞いてくれ」といった対応だったようです。

 

 その弟さんは雲隠れして、マスコミの前に現れません。報道各社の記者達も、在職18年の威力ある知事の前では、それ以上質問し追求することには「勇気」が必要だったようです。

 

 そんな時、正義感と勇気に溢れた女性記者Kさんは質問をしたそうです。「弟の会社のことは弟に聞いて下さい、とのことですが…、弟さんが所在不明で聞く方法がないのです。知事は県民が納得できるような説明をする義務があるのではないでしょうか?」と。

 

 知事は激怒したと聞きました。隣の席にいた副知事がなんとか抑えて、引きずるようにして栄佐久知事が記者会見の場から退席したと、他社の記者から聞きました。

 

 虎のような権勢を誇った現職知事に対して、臆することなく質したK記者の勇気に感ずるものがありました。

 

 そういえば、彼女は「ならぬことは、ならぬものです」という什の掟が、今にして生きている会津の出身です。

 

 死んだ虎なら誰でも打てる。「生きている虎に立ち向かう勇気を持ったKさんと友人であることを誇りに思います」という言葉を「はなむけ」として贈りました。

 

 Kさん、本社での一層のご活躍を期待しています。特に、いま、政権与党には、猛虎が幅をきかせているようです。

 

 Kさんを含むマスメディアの虎退治、多くの国民が期待しています。

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「敵ながら天晴れ」という人間に対する誉め言葉があります。主義・主張、お互いの立場や利害が鋭く対立する関係、つまり「敵対的関係」にありながらも相手側から高い評価を受けるといった意味でしょうか。人物評価のランクとしては最高位の言葉ではないかと思っています。
 
歴史上の人物で「敵ながら天晴れ」と相手側から評価された人物について思いをめぐらしてみました。江戸幕府の殿役(敗退戦の責任者)をつとめた勝海舟を筆頭にあげることに誰も異論はないでしょう。
 
国民党の指導者であった蒋介石総統に対しても「敵ながら天晴れ」という評価が日中両国に根強く残っています。日本国内では、日本敗戦時に「暴に報いるに徳を以ってせよ」との「大人」としての対応についての評価であり、中国国内では、国共合作=抗日統一戦線に踏み切ったことに対する勝ち組(中国共産党指導部)の評価です。立場や利害が鋭く対立する、時には戦いの相手となる側から高い評価を受ける人物は、味方の側とすれば、これほど力強いことはないでしょう。
 
身近な例でいえば、福島在住の二人の現役弁護士を思い浮かべることができます。一人はY弁護士です。40年程前に「福島交通」という会社は年中行事のようにストライキなどの労働争議の頻発する会社でした。織田大蔵という全国に名の知られた「名物社長」が陣頭指揮をして「労組弾圧」を強めれば、組合側も「国民の足」(当時、地方のバスは文字通り住民の足でした)を人質にとり、私鉄総連という全国組織の応援も得、お互いに一歩も引かぬ「対決」を続けていました。この福島交通の労組の顧問弁護士をしていたのがY弁護士です。
 
ある会席で二人が同席する機会があったそうです。織田社長は、Y弁護士の席に近寄り、「事実をならべて、道理を説く」というあなたの仕事ぶりに感心している。一連の争議が終わったら、ぜひ福島交通という会社の顧問弁護士になってもらいたいと頭を下げて頼んだということです。もちろん、Y弁護士は丁重にお断りしたそうです。その理由として「あなたはずいぶん変わった人なので…」という言葉を添えたと伝えられています。
 
ご紹介するもう一人の「天晴れ弁護士」は福島県で初の女性弁護士となったW弁護士です。訴訟事件で相手側(敵側?)に回したらこんなに手強い弁護士はないことで名高く、依頼者は多いのですが、依頼人を選ぶことでも有名で、スジの悪い人や案件は引き受けてもらえません。
 
不動産事業部を立ち上げて3年半になりますが、売主と買主では「価格」をめぐっては、その立場は相反するものであり、時には鋭く対立するケースもあります。間に入った仲介業者は何とか折り合いをつけてまとめようと努力しますが、業界固有の慣習やカケヒキもあり、苦労が絶えません。当社の原則的な立場は、売主側、買主側、いずれの仲介の場合でも、物件の良い面も、マイナス面も最初から明示し、相手側の判断、結論をじっくり待つという姿勢です。徒にカケヒキをしても相手側に見抜かれるのがオチですし、時間の無駄と考えるからです。
 
この業界に仲間入りしてまだ日が浅いので、部分的な体験からの感想ですが、福島の不動産仲介業界にも「敵ながら天晴れ」(誤解のないように申し添えますが相手側の立場(敵?)という意味です。)という評価に値する「人物」が何人かいることが分かりました。海千山千といわれる業界で、もまれながらも立派な仕事ぶり、姿勢を身につけた人々です。「風雪は男を磨く」という表現がぴったりする人にも何人か出会いました。嬉しいことです。
 
人の評価は「棺を覆いて事さだまる」といわれていますが、生きているうちに「敵ながら天晴れ」と、たまには云われるような生き方をしたいと心がけています。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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